大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和32(オ)957 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人らの負担とする。

理 由

上告代理人間宮三男也の上告理由第一点について。

しかし、原審が、その挙示の証拠関係から、甲二号証の本件身元保証書記載の社

員とは、嘱託を含まないと認定し、したがつて、同保証書は訴外Dが、昭和二六年

八月一日嘱託から社員に採用されたについての身元保証を約したものであると解し、

また右保証書が被上告会社に現実に受領された日が、右同日であるか、それ以前で

あるかはとにかくとして、右訴外人が社員となつた日に成立したか(右八月一日)、

少くともその時に効力を生じたものと判断したのは正当として首肯し得なくはない。

所論はひつきょう原審が適法にした事実認定を争い、これを前提とするか又は独

自の見解に立つて原判決を非難するに帰するから採るを得ない。

同第二点について。

しかし所論「身元保証ニ関スル法律」三条一号は、「被用者ニ業務上不適任又ハ

不誠実ナル事跡アリテ之ガ為身元保証人ノ責任ヲ惹起スル虞アルコトヲ知リタルト

キ」に使用者に所論通知義務を負わしめているのであるところ、原審の認定によれ

ば、訴外Dの本件不法行為の手段方法は、原判示の如く巧妙であつて、被上告会社

において相当の注意を払つてもこれを防止し得なかつたというのであり、その趣旨

は、結局、被上告会社は右訴外人に上告人らの責任を惹起する虞のある「業務上不

適任又は不誠実なる事跡」のあることを覚知し得なかつたとするものであることが

窺われ、所論証人Eの証言もその趣旨から考えて右原審の認定判断を左右し得るも

のではないから、原判決には、所論理由不備ないし法令の適用を誤まつた違法があ

るとは認められない。

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よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、

主文のとおり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 高 木 常 七

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 下 飯 坂 潤 夫

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